羊のことば

小さく小さく

怒り

なにをそんなに怒っているんだ。

都会にいて荒んでしまったのか。

なにに急かされなにに焦っている。

イムリミットが迫っているのか。

 

なにを示せば満足か。

それができていないのはなぜか。

実行すればよいのに、それを行うのを引き留めているものはなにか。

 

その意識だ。

金銭価値でしか世界を量れなくなるのが、大かっこおとなになることの弊害だ。

お金を価値と等価にみてはいけない。

その意識を破壊せよ。

その意識によって押し止められていることが、心を失うようにさせている。

どうしてその意識の方に向くようになったのか。

 

人並みをいまいましい心持ちで認める。

その心理状態が異常を顕に示している。

足りていないこと、心的飢餓が、余裕を失わせる。

それは居場所の欠如と故郷の喪失に由来する。

 

その欠如が金銭価値に心を向かわせるのだ。

畢竟、自分を知らない状態が、自分を見失う状況へ至るようにさせる。

それは絵に描いたユートピアを鑑賞し、その世界に生きる人々に嫉妬するようなものだ。

金銭の価値はあらゆる次元を一次元に貶める価値基準なのだから。

 

お金は最後に行き着く価値で、お金から価値が興ることはない。

怒りはお金の扱いを過ったことによって、行き着いた心境だ。

そしてそれは居場所のないことが原因だ。